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2024.01.26

シンクライアントとは? 仕組みやメリット、システムの実現方法を解説

シンクライアントとは、PCなどのクライアント端末では限られた処理のみを行い、サーバー側でほとんどの処理を行うシステムのことです。シンクライアントはセキュリティやコスト、利便性といったさまざまな観点でメリットがあるため、普及が進んでいます。本記事では、シンクライアントの概要から仕組み、メリット・デメリット、実現方法まで詳しく解説します。

シンクライアントとは

シンクライアントとは、英語で「Thin(薄い)+Client(クライアント)」と表されるとおり、PCなどのクライアント端末の機能を最小限に抑え、サーバー側でデータの保存やアプリケーションの実行処理などを行うシステムのことです。また、仮想デスクトップ環境の利用に特化したエンドポイント端末そのものを指す場合もあります。

シンクライアントの仕組み

従来の環境でもクライアント端末からサーバーにアクセスしてサービスを利用することはありますが、クライアント端末自体にもデータを保存したりアプリケーションをインストールしたりすることが一般的です。

一方シンクライアントでは、サーバー側で処理や保存を行い、クライアント端末へはネットワークを介して画面を転送するのみです。ユーザーの手元のクライアント端末では、画面への出力やキーボード・マウス操作などの最低限の処理を行います。

シンクライアントのメリット

シンクライアントを利用することで得られるメリットは次のとおりです。

セキュリティを強化できる

従業員が端末を紛失したり、盗難にあったりする事故が発生すると、企業の機密情報が漏洩するリスクがあります。しかしシンクライアントなら従業員の手元の端末にはデータが残らないため、こうしたリスクを軽減することが可能です。また、個人が自由にアプリケーションをインストールできないため、マルウェアの感染予防にもつながります。

働く場所を選ばない

シンクライアントはインターネット環境さえあれば場所を問わず安全に利用できるため、オフィス以外での作業にも向いています。また、災害等でオフィスが使用できなくなったり端末が破損したりした場合でも、サーバーが無事であればオフィス以外の場所から新たな端末で接続できるため事業を継続できます。

運用管理コストを削減できる

シンクライアントではデータやアプリケーションなどがサーバーに集約されるため、ユーザーが使用するクライアント端末を一元的に管理できます。運用担当者は1台1台を管理するよりも大幅に業務を効率化することが可能です。またユーザー側も個々人でアプリのインストールやアップデートを行う工数が不要になります。

シンクライアントのデメリット

一方で、シンクライアントのデメリットとしては次のようなものが挙げられます。

導入時にコストがかかる

シンクライアントを導入するには、従業員が使用するクライアント端末に加えてサーバー側で実行する環境の構築が必要です。そのため、従来の環境よりも高額な初期コストが発生する場合があります。

サーバーの負荷が高い

シンクライアントでは処理をすべてサーバー側に集約するため、サーバーに高い負荷がかかります。安定した処理を維持するには、スペックの高いサーバーや安定したネットワーク環境の整備が必要です。また、サーバーにトラブルが発生するとユーザー全員に影響が出て業務がストップする可能性もあります。

シンクライアントの実現方法

シンクライアントを実現するには、大きく分けて次の2つの方式があります。

ネットブート型

クライアント端末を起動する際に、サーバーからOSイメージをダウンロードする方式です。通常のPCと変わらない操作感で利用できますが、転送するデータ量が大きいため、広いネットワーク帯域と端末のスペックが求められます。

画面転送型

サーバー側で実行した処理の結果を、ネットワーク経由でクライアント端末に転送して表示させる方式です。ネットワーク負荷が低く、端末のスペックを問わないことからシンクライアントではこの画面転送型が採用されることが多いです。さらに画面転送型は次の3種類に分類されます。

ブレードPC型

ブレードPCと呼ばれる超小型のPC端末を用意し、クライアント端末からユーザーが1対1で接続します。高度な処理ができる反面、運用の手間やコストが必要です。

サーバーベース型

1つのサーバーの同一のデスクトップ環境をすべてのユーザーが共有します。高性能なサーバーは不要なため費用は抑えられますが、各ユーザーの自由度は低くなります。

デスクトップ仮想化(VDI)型

サーバー上にユーザーごとの仮想デスクトップ環境(VDI=Virtual Desktop Infrastructure)を用意し、クライアント端末からアクセスします。ブレードPC型よりもコストがかからず、サーバーベース型よりも各ユーザーの自由度が高いです。そのため、現在のシンクライアントにはこの方式が採用されることが多くなっています。

おすすめのシンクライアントシステム

ここまで紹介したシンクライアントの実現方法は、基本的にサーバー側で実行する環境の構築が必要です。そのため専門知識や工数、高額な初期コストが求められます。

これらの方法に対して、at+linkが提供する「リモートPCサービス」は、データセンターに用意された物理PCにリモートでアクセスし、サービスとして利用できる形態です。リモートPCサービスを利用すると、自社での環境構築は不要なためすぐに利用を開始でき初期コストも抑えられます。

また、リモートPCサービスは仮想環境ではなく物理PCを利用し、1ユーザー1台を占有できます。これにより安定したパフォーマンスが提供されることがメリットです。1台・1ヶ月からの利用が可能なため、シンクライアントをスモールスタートしたい企業にとって有効な手段となるでしょう。

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まとめ

シンクライアントとは、PCなどの手元のクライアント端末にはデータやアプリケーションなどを保存せず、サーバー側でほとんどの処理を行うシステムのことです。セキュリティの強化や運用管理コストの削減といったメリットが多く、導入を検討する企業が増えています。

シンクライアントはメリットが多いものの、実現するためには基本的にVDIなどの環境構築が必要になります。この構築の手間やコストを抑えるためにおすすめなのが、at+linkが提供する「リモートPCサービス」です。リモートPCサービスは物理PCへのリモートアクセスをサービスとして提供する形態のため、環境構築の手間や初期コストを押さえてシンクライアントを実現できます。
シンクライアントの導入を検討している方は、ぜひリモートPCサービスを検討してみてください。