リモートワークに必要なPCのスペックとは?
リモートワークの普及により、在宅で使うPCのスペックが重要視されています。生産性を上げるためには、どの程度のスペックが必要となるのでしょうか。今回は、リモートワークに適したPCの選び方と、高スペックなPCを用意するのが難しい場合に有効な「リモートデスクトップ」について紹介します。
この記事の目次
リモートワークに必要なPCのスペック
PCを選ぶ上で重要となるのは、CPU・メモリ・ストレージです。今回は上記3点について解説します。
CPUはCore i3以上が推奨
CPUは演算処理を行います。PCの頭脳にあたるもので、PCのパフォーマンスはCPUの性能によって左右されるため、選ぶ際に重要なポイントになります。
以下表に主な利用目的に合わせた推奨のCPUを記載しました。
今回は最もメジャーなIntel社の「Core i」シリーズを解説します。
CPU | 利用目的 |
Core i3 | メールチェックや文書作成などの基本作業を行う |
Core i5 | 基本作業にプラスして複数のソフトを同時に利用する |
Core i7 | 動画編集や画像編集などのクリエイティブな作業を行う |
Core i9 | クリエイティブな作業をより快適に行いたい |
一般的な事務作業を行う場合は「Core i3」で十分です。
CPUは数字が大きくなるほど、性能が高くなりますので、費用に余裕があるのであれば、より大きい数字のものを購入した方が良いです。
メモリは8GB以上を推奨
メモリは一度に処理できる情報量を示しています。日常生活に例えると、CPUが人でメモリが作業を行う机になります。
テーブルが広いほど作業が行いやすいのと同じように、メモリも大きいほどCPUが快適に作業を行うことができ、処理が早くなります。
メモリ | 利用目的 |
4GB | Windows 11 の必要メモリ |
8GB | 文書作成や表計算等の作業を行う |
16GB | 経理事務、プログラミング、Webデザイン、画像編集など |
32GB〜 | 動画編集や画像編集などクリエイティブな作業をより快適に行いたい |
Windows 11では必要メモリが4GBとされていますが、4GBではWindowsを起動させるだけで作業を行うには十分とは言えません。最低でも8GB、事務作業などを快適に行いたいのであれば16GB以上を推奨します。
ストレージはSSDを推奨
ストレージはPCに保存できるデータ容量のことです。ストレージは主にHDDとSSDに分けられます。HDDとSSDの主な違いは以下になります。
HDD | SSD | |
値段 | 安い | 高い |
PCの起動時間 | 遅い | 速い |
読み込み速度 | 遅い | 速い |
耐久性 | 低い | 高い |
皆さんはPCの起動時に中々起動しないという経験はありますでしょうか。HDDの場合、読み込みに時間がかかり、PCの起動にも時間がかかります。その点SSDは読み込みの処理が速いので、PCの起動もほとんどかかりません。HDDの方が値段は安いですが、PCの起動時間や読み込み速度がSSDの方が圧倒的に速く快適に利用可能なため、SSDを推奨します。
容量としては、一般的な業務アプリケーションの利用用途であれば256GBもあれば十分でしょう。
リモートデスクトップを利用するという選択肢
快適にリモートワークを行うために必要なスペックのPCを調達しようとすると、意外と高額になってしまい、躊躇ってしまうケースもあるかもしれません。そのような場合には、オフィスのPCにリモートでアクセスする「リモートデスクトップ」を利用してみてはいかがでしょうか。
Windows10以降は、標準でリモートデスクトップの機能が搭載されています。
リモートデスクトップとは
リモートデスクトップとは、自身のPCから他のPCにインターネット経由で遠隔操作できる機能です。自宅のPCから会社のPCにアクセスし、業務を行うことが可能です。
インターネットが利用可能な環境からであれば、場所を問わず利用可能なため、リモートワークに最適です。
リモートデスクトップのメリット
自宅のPCのスペックが低くても大丈夫
リモートデスクトップはオフィスのPCを遠隔操作することになるので、もし自宅のPCのスペックが低い場合でも、会社のPCと同じスペック環境で業務が可能になります。
自宅のPCにデータが残らない
作成したデータも遠隔操作対象のPCに保存するため、自宅のPCにデータが残らず、盗難や紛失による情報漏洩のリスクを下げることができます。
リモートデスクトップのデメリット
セキュリティリスクの上昇
リモートデスクトップは、オフィスのPCを外部からアクセスできる状態にする必要があるため、サイバー攻撃を受けるリスクが高まります。
リモートデスクトップのセキュリティリスクを低減するには、以下のような対策が有効です。
- パスワードを長く複雑なものする
- リモートデスクトップ接続できるIPアドレスを制限する
- リモートデスクトップに使用するポート番号を変更する
- VPNを利用する
- 多要素認証を使用する
- 端末にエンドポイントセキュリティを導入する
リモートデスクトップのセキュリティ対策については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
リモートデスクトップを安全に利用するには? セキュリティリスクと対策を解説 | リモートPCブログ
PCの準備やセキュリティ対策の手間を削減したいなら
リモートワーク用にPCを購入する場合、必要なスペックを満たしたPCの金額は10万円以上になることが多いです。セキュリティソフトも最初から導入されているものもありますが、別途手配するとなると1.5万円以上かかります。
PCを調達するコストや手間を削減したいのであれば、一度リモートPCサービスをご検討ください。
リモートPCサービスは、データセンターに用意された物理PCをサービスとして提供します。PCの調達や管理はサービス提供事業者が行うため、ユーザーはリモートからアクセスするだけですぐに高スペックなデスクトップ環境を利用できます。
手元の端末のスペックが低くても問題ありませんし、オフィスPCをリモートデスクトップで利用する場合のセキュリティリスクも軽減することが可能です。セキュアにBYODを実現できるため、企業はPCの調達コストや負担を抑えられます。
まとめ
今回の記事では、リモートワーク用のPCを用意する場合に必要なスペックについて解説しました。しかし、自宅に高スペックなPCを用意することが難しい場合は、Windows10以降の標準装備機能のリモートデスクトップを利用することも可能です。
PCを用意する場合には、業務に応じて適切なCPU・メモリ・ストレージを意識して購入する必要があり、リモートデスクトップ機能を利用する場合はセキュリティリスクを考える必要があります。こうしたコストや手間を削減することが可能なリモートPCサービスをぜひ検討してみてください。