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2024.12.20

クラウドVDIとは? オンプレミスとの違いや代表的なサービスを紹介

リモートワークの普及により、サーバー上で実行される仮想デスクトップ環境を遠隔地の端末から操作するVDIの利用が増えています。VDIは自社の環境で運用するオンプレミス型と、サービスとして提供されるクラウド型に大きく分けられるため、それぞれの違いを理解することが重要です。
本記事では、とくに柔軟性やコスト効率の高さで注目されるクラウドVDIの概要から、オンプレミスVDIとの違い、メリット、代表的なサービスまで解説します。

クラウドVDIとは

クラウドVDIとは、仮想デスクトップ環境をクラウドサービスとして提供するものです。SaaSの一種のため、DaaS(Desktop as a Service)とも呼ばれます。

ユーザはクラウドサービスプロバイダが構築したデスクトップ環境にインターネットを介してアクセスして利用します。ユーザがインフラを準備したり設定したりする必要はなく、基本的にベンダーが運用・管理を行うことが特徴です。

オンプレミスVDIとの違い

オンプレミスVDIとは、自社で管理するサーバー上に仮想デスクトップ環境を構築して利用する形態のことです。

オンプレミスVDIとクラウドVDIの主な違いは、この仮想デスクトップ環境を構築する場所と責任範囲にあります。オンプレミスの場合は自社ですべての環境を構築・運用するのに対し、クラウドVDIはクラウドサービスプロバイダによってすでに構築された環境をサービスとして利用します。

クラウドVDIの種類

クラウドVDIは、さらに次の2つに分けられます。

SaaS型:プロバイダがあらかじめ構築したVDIをサービスとして利用する形態です。先述した一般的なDaaSで、すぐに利用を開始できます。

マネージドVDI型:プロバイダがユーザの要件に応じて個別にインフラや規模などをカスタマイズしてVDIを構築し、サービスとして提供する形態です。初期費用や利用開始までのリードタイムがかかります。

クラウドVDIのメリット

クラウドVDIを導入することで得られるメリットは次のとおりです。

初期コストを抑えられる

クラウドVDIは、オンプレミスと違い自社で環境を構築する必要がなく、スモールスタートが可能です。サーバーやネットワーク機器などのハードウェアの調達が不要なことに加え、VDI環境を構築するための開発コストも不要となるため、導入時の初期コストを抑えられます。

運用管理負荷を軽減できる

クラウドVDIではプロバイダがインフラの管理やシステムのメンテナンスなどを行うため、ユーザは運用管理の負荷を大幅に軽減できます。とくにSaaS型は構築期間を考慮することなく、すぐに利用を始められる点もメリットです。

リソース変更の柔軟性が高い

ユーザ数の増加などによりシステムを拡張したい場合、オンプレミスではハードウェアの追加が必要となるケースもあり、迅速な対応が難しいです。クラウドVDIであれば、リソースの追加も迅速かつ簡単に行えます。逆にリソースが不要になった場合は簡単に減らすこともできるため、無駄なく効率よく利用することが可能です。

クラウドVDIのデメリット

メリットの多いクラウドVDIですが、次のようなデメリットもあるため注意が必要です。

カスタマイズが制限される場合がある

提供されるサービス内での利用となるため、オンプレミスと比較すると自社のポリシーに合わせた細かなカスタマイズは難しいです。自社のセキュリティポリシーや業務要件を満たせるか、事前に確認が必要です。

安定したインターネット接続が必要

インターネットを介してアクセスするため、ネットワーク接続が安定していない場合、VDI環境のパフォーマンスが低下して業務効率に影響する可能性があります。業務を円滑に進めるためには、ネットワーク環境の整備が必要です。

ランニングコストが高くなる場合がある

仮想デスクトップが数百台以上など、大規模な場合はランニングコストが高くなる可能性もあります。大規模な場合、初期投資や運用管理負荷もかかるため一長一短ではありますが、総コストを比較し検討してみた方が良いでしょう。

クラウドVDIの選定ポイント

クラウドVDIはさまざまなベンダーが提供しています。自社に適したサービスを選定する際には、次のようなポイントを考慮するとよいでしょう。

パフォーマンス

  • 自社が要求する要件に対応できるか(CPU、メモリ、GPUなど)

  • ネットワークの帯域と遅延

コスト

  • 初期費用とランニングコストユーザ数やリソースの変動による影響

  • サービスの基本料金以外に追加でかかる費用はないか

サービスの信頼性

  • SLA(稼働率)の設定などがあるか

  • サポートの体制、トラブル時の対応範囲

セキュリティ

  • 通信やクラウド上のデータの暗号化有無

  • ISMS認証の取得など

  • 自社のセキュリティポリシーとの合致

クラウドVDIの代表的なサービス

最後に、代表的なクラウドVDIサービスを紹介します。

Azure Virtual Desktop

Microsoftが提供する、Microsoft Azure上で動作するSaaS型クラウドVDIで、Microsoft製品とスムーズに連携できます。Windows 10/11のマルチセッション機能(1つの仮想マシンを複数のユーザが同時に利用する)を利用できることが特徴で、ユーザ数の多い大規模な環境でも仮想マシンの台数を抑えられ、コストを削減することができます。

「Azure Virtual Desktop」https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/virtual-desktop

Amazon WorkSpaces

Amazonが提供する、AWS上で動作するSaaS型クラウドVDIで、利用できるOSはLinuxとWindows Serverです。マルチセッションには対応しておらず、1台の仮想デスクトップ環境が1人のユーザに専用で割り当てられる占有型になります。設定はシンプルなため、管理を効率化したい企業に適しています。

「Amazon WorkSpaces Family」https://aws.amazon.com/jp/workspaces/

BVDI

NTTデータが提供するマネージド型クラウドVDIです。規模や業務、予算に合わせて50種類以上の組み合わせのなかから最適なものを提供します。オプションも豊富なため、特定の業務に合わせてパフォーマンスを向上させたい、セキュリティを強化したいといった細かなニーズのある企業におすすめです。

「BVDI」https://www.bizxaas.com/application/office/bvdi/

Resalio DaaS SS

Resalio DaaS SSは、アセンテックが提供するマネージド型クラウドVDIです。仮想デスクトップ環境だけでなく、共有ファイルサーバ、セキュアゲートウェイ、ドメインコントローラなどイントラネット全体を簡単に構築できることが特徴です。半日ほどで構築でき、PC1台から利用できるためスモールスタートしたい企業に適しています。

「Resalio DaaS SS」https://www.ascentech.co.jp/solution/resaliodaas/resaliodaas_ss.html

リモートPCサービス

at+linkが提供するリモートPCサービスは、プロバイダが管理するデータセンターに設置された物理PCを遠隔で利用できるサービスです。物理PCを一人一台占有できるため、安定したパフォーマンスが特徴です。社内ローカル環境との連携も容易にでき、1台・1ヶ月から利用できるため、これまで大規模なVDI環境の導入が難しかった中小企業におすすめです。

「リモートPCサービス」https://remote-pc.jp/

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まとめ

クラウドVDIはクラウドサービスとして提供される仮想デスクトップ環境で、初期コストや運用負荷の軽減など、多くのメリットがあります。仮想デスクトップの導入を考えている場合や、オンプレミスVDIに課題を感じている場合、有効な選択肢となるでしょう。
クラウドVDIはさまざまなベンダーが提供しているため、それぞれの特徴や選定ポイントを踏まえて自社に合うサービスを検討してみてください。